・中国/大連編・中国/大連編ハワイ滞在もあと僅かという頃に、母が、 「中国に漢方薬を買いに行きたいっ!一緒に行って!」と 電話をしてきた。手配をしてくれる人にお願いする関係上、私がハワイから 帰国して1週間後には、中国に行かなくてはいけないと言う。それも2週間。 漢方薬の調合に時間がかかるのだと言う。そんなに長く1つの都市に?? 飽きたら、北京に住むおじさんのところに行ってもいいとのこと。 ほ~、それは面白いかも、と中国のビザ申請の書類は母に頼み、ハワイ から戻ってたった1週間、時差ボケが治ったころに、私は大連にいた。 行きの飛行機の中で、母親が漢方薬を買ってる間、私はあ~してこ~して と観光のプランを練っていたのだが、これは実は全く無駄なことだった。 空港に着くと、手回しのいいことに30代半ばであろうか、通訳の中国人 女性と運転してくれる男性が迎えに来てくれていた。 車に乗り込み、宿泊先に向かうとのこと。空港からやたらと時間がかかる。 やっと着いた宿泊先は・・・ホテルではない・・・。病院である!! 聞こえは悪いが、私は母に騙されたのだ・・・。 これは観光ではない!漢方薬を調合してもらうための入院旅行だった! およそ病室とは思えないヨーロッパ調の家具で統一された部屋に通される。 あら、ホテルっぽいわ♪と思ったのは一瞬。 何も言わなかった母への怒りで一杯!しかし来てしまったものは仕方がない。 母には「私も知らなかったのよ!」と言われるし。嘘だああああ!! 翌日から悪夢の検査の日々が始まる・・・。 母はかなりの高血圧。心臓もあまりよくない。私は当時、生○痛が2、3日 ひどいくらいで、とくに問題はなかった。その私がなぜ母と同じような プログラムの治療を受けなければならないの!! 毎日病院に缶詰状態。マッサージにハリにしまいにはお灸!! 朝晩には、にが~い何かを煎じた飲み物が出てくる。 たまに来る医者は日本語と英語ができたが・・・どちらも中途半端。 私との会話も、日本語がわからなくなると英語、英語がわからなくなると 日本語、というしっちゃかめっちゃかな状態。 ハワイを出る前、「中国に行くんです♪」と行った私に「じゃ、中国語を少し 教えるわ!」とクラスの後に1週間、中国語を教えてくれた語学学校の先生に どんなハガキを書けばいいの・・・。 だいたい1週間の付け焼刃の中国語が入院に役に立つわけがない。 毎日の楽しみはたったひとつ、朝食のお粥のみ。あ、でもこれホントにおいし かった! 4、5日で飽きた私は近隣を散歩し始めた。 大きな建物を見つけた。看護婦さんに、建物を指差し首をかしげると紙に "飯店"と書いてくれた。ん?この文字見たことあるぞ・・・。 ホテルだ!お茶くらいできるかもしれない!!ホントにこの時は変化のない 毎日に一筋の光がさしたと思った!! すぐに母を誘い、その建物に向かう。歩いて15分ほどだったろうか。 まぎれもなくホテルだった・・・。 それもかなり大きい。外貨両替もできるしビジネスセンターもある! ビジネスセンターのお姉さんは日本語はだめだが、英語ができる! 私はここでやっと切手を買い、ハガキを出すことができた。 しかしそのハガキはなぜか受け取られることなくどこかへ消えた。 とにかくホテルにはマッサージとお灸の合い間に毎日お茶に行った。 時々来てくれる通訳の女性には、私一人でも買い物に行くぞ!と毎回言って いた。でもアブナイからやめて下さい!ですって。まるで戒厳令でもしかれて いるような言い方をされた。 それでも着いてやっと1週間目に中心部へ買い物へ行けることになった。 町は雑然としていた。車も人も自転車も多い。横断歩道は一応あるが、誰も 車を待って止まったりしない。車も止まってくれない。 ちょっと驚いたことがあった。日本人には考えられないことだが、あちら では珍しくないのだろうか。 とってもきれいなお姉さんが歩いていた。お仕事をしてらっしゃる方だろう。 ビシっとスーツを着て、きれいな長い髪にブリーフケース。 そのお姉さんが突然・・・道端につばを吐いた!ちょっとしたカルチャー ショックだった。 チャイナドレスや中国茶、海賊版の雑誌などを買った。 露店ではお金をぼったくられる・・・。出かける前に、「おつり」くらいの 単語は本で調べておくべきだった! 買い物も楽しかったが、魚・野菜の大きな市場がなんでもやさんのようで 見てるだけで楽しかった。 数日後にはレストランでの夕食に連れ出してもらった。 好きな魚を生け簀の中から選び、料理してもらう。個室にはカラオケがあり 通訳の女性がきれいな声で美空ひばりの歌を歌ってくれた。 郊外の観光はなぜか公園が多かった。 通訳の女性に聞くと、「家族連れも恋人同士もだいたい公園で休日を過ごす」 とのこと。 映画は?カラオケは?公園が悪いとは言わないが、それだけ?? 帰国前日、上記のホテルで北京ダックを食べる。私の中の中華料理の基本は お粥と北京ダックだったのだもの。 観光らしいお食事は2週間でたった3回。北京へ行く予定は何処へ・・・。 病院の食事に別に不満はなかったが、私は「観光客」になりたかったのだ(涙)。 帰国数日前には滞在延長を勧められていた。もうちょっとお灸は続けた方が いい、と。冗談じゃない!TOEICの受験日も近づいている! スーツケースに入りきらないほどの漢方薬と命からがらの思いで帰国した。 私のために調合されたらしい数種の薬。 数ヶ月飲んでも私の生○痛は軽くならなかった。まったく変わりはなかった。 私の初めての中国っていったい・・・。 次回の中国は観光のみで、北京か香港にしたいものだ。 もちろん、2度と母に予約は任せないぞ。 |